藤沢市民オペラ「フィガロの結婚」出演者コメント6
藤沢市民オペラ「フィガロの結婚」公演チケット、23日、24日分の電話での予約期間は終了しました。お求めの際には藤沢市民会館、湘南台文化センター市民センターに直接お越しください。なお、日程、席種によっては完売、残り僅かの券種もございます。
チケット取扱い
- 藤沢市民会館:0466-23-2415
- 湘南台文化センター市民シアター:0466-45-1550
- チケットぴあ:0570-02-9999(Pコード207-868)
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?出演者コメント
フィガロ:大山 大輔(11/16,23出演)
今回の藤沢市民オペラ『フィガロの結婚』は、より深いところに演出の考察が及んでいて、楽譜が隅々まで読み込まれているという印象があります。僕自身、『フィガロの結婚』は他の作品に比べると、比較的多く経験させてもらっていますが、今回、この様に作品を深く掘り下げた演出で演じられるということは、役者として、とても幸せなことで、なるほどなるほどと目から鱗を落としながら稽古に励んでいます。演者としては、演出の岩田さんから伝えてもらっているコンセプトを“いかにお客さんにわかりやすく伝えるか”ということを、日々試行錯誤しながら稽古しています。稽古の序盤は、各出演者の時間もあまり無いという制約があったので、演出家の意図を詰め込めるだけ詰め込んで、各々がそれを消化して、今回の「藤沢フィガロ」の幹となる部分を蓄えていったように思います。ここからは、それをそぎ落とし、取捨選択がなされて、演出の意図が最大限発揮されるものに集約していくと思います。オペラは究極のチームワークですから、今回のような表現の要求に応える為には、各々の持つテクニックだけではなく、共演者同士が同じビジョンを共有してこそ成されるものと信じています。今から本番が楽しみです。『フィガロの結婚』は、初演から227年経っても色あせない大作です。やるからには、徹底して痒いところに手が届く公演にしたいですね。「オペラ歌手ってヤツは、ここまで出来るのか」と、お客さんに驚いてもらえるような、質の高い舞台になるように全力を尽くします。
ドン・バジリオ:布施 雅也(11/16,23出演)
僕にとって、初めて大きいオペラが、芸大大学院生時代の大学院オペラ『フィガロの結婚』でバジリオ役とクルツィオ役でした。その時から、ちょうど10年ぐらいになるので、思い出が甦ってきています。今まで『フィガロ』のバジリオ役を演じるにあたって、バジリオの一般的に抱かれている、おかまっぽく、いやなやつで、おもしろおかしく生きているという漠然とした表面的ものでは、納得ができない部分がありました。それが、今回岩田さんの演出で、どのようなバックボーンをもっているかということや、衣裳の設定、時代背景、その風潮の全体的な説明があり、かなりクリアになりました。それに加えて、稽古の度にバジリオにまつわる話を聞き、質問し、立ち振る舞い、発する言葉の意味など人物像の裏付けができました。また、本作の中での立ち位置や、最後にアリア“ロバの皮を被った”を歌う意味が明確になり、バジリオの哲学や処世術などに、改めて迫っていくことができました。しっかりとキャラクターのつながりや一人一人のキャラクターを大切に取り上げてくれる演出というのは、今までなかったので、演じている側としてはうれしかったです。自分のこれからにもすごく役に立つものを、稽古の中でたくさん頂いているなと思います。この『フィガロの結婚』の中で、テノールの役は、そこまで目立つ役ではないのですが、非常に大切なキーパーソンとして、良い意味で存在感をもって、舞台上に存在できればと思います。
ドン・クルツィオ:平田 孝二(11/16,23出演)
スケジュールの都合で、音楽稽古と立ち稽古の時間が離れていたので、少し不安を覚えましたが、現場の雰囲気自体はとてもいい感じなので、すぐにとけ込めて、楽しく稽古しています。岩田さんの演出は、スピーディで、頭がついていかないところもありますが、とても勉強になりますし、何より楽しいです。ドン・クルツィオの出番は少ないですが、通常の『フィガロの結婚』では出演しない4幕の初めでも、出演することになりました。そこでは芝居だけですが、クルツィオの存在感をしっかり出せればと思っています。一般的なイメージとして、モーツァルトというと、音楽の天才でその作品は難しいのでは、と構えてしまうこともあると思います。ですが、お芝居のあらすじを見ると、キャラクター設定など、込み入ってはいますが、基本的には男と女の好き嫌い、嫉妬などの誰にでもある感情が描かれています。それが変化していく楽しさがあり、だからこそ名作として今まで200年以上残ったのであろうと思います。その誰にでもある感情を、劇中のキャラクターに感情移入して見ると、より身近に感じていただけると思います。
バルバリーナ:古瀬 まきを(11/17,24出演)
2008年に岩田さんの演出で出演させていただいた『フィガロの結婚』バルバリーナが、私のデビューの役でした。それから5年間、スザンナなど他の役もやらせていただき、デビューの時よりは経験を積んで、自分自身も変わったので、求められることも変わったような気がします。今は作品全体の中でバルバリーナとしてどのような役割を果せば、この作品がしっかりとお客様に見えるかということを考えて演じています。そのようなことを演じる上で、出番の少ないバルバリーナ役は、全体で仕上げると言うより、いつもダイアモンドを出さなくてはいけないので難しいなと、改めて痛感しています。どのような舞台もそうですが、作品とバルバリーナという役が、お客様に「バルバリーナって魅力的だ」と思ってもらえるようにしていきたいですね。そうすれば、きっと作品全体も「やっぱり『フィガロ』って良い作品だね」と感じてもらえると思うのです。いつも思っていることですが、作品の魅力をちゃんと伝えられるように、自分に与えられた仕事を全うしたいなと思っています。素晴らしい共演者の方々と、『フィガロ』のお話しの中を生きられたらいいなと思います。