福島第一原発の地元、大熊町からの避難民が多く住む会津若松市
そこには避難民を中心とした小さな短歌サークルがあった。
サークルメンバーはお互いの短歌を通して心を寄せ合い、
寄る辺ない気持ちを慰め合っていた。
ある日、届いた一通のはがきには、原発を詠んだ数首の短歌が刻まれていた。
差出人は「ホームレス」。会員たちは驚きとともに、謎の歌人の正体に興味を持つ。
東日本大震災から5年。
戻りたくても戻れない故郷。見通しの立たない不安。「原発」への複雑な思い。
復興への長い道のりを覚悟しながらも、必死に立ち上がり、
前を向いて力強く歩き出す人々の物語。